生産者さんご紹介 : なりさわ生命食産 成澤之男さん


無肥料自然栽培の玄米(ササニシキ)

宮城県登米の成澤之男さんの、農薬だけでなく肥料も使わず育てられた自然栽培のササニシキ

初めて成澤さんのササニシキを食べたとき「こんなに美味しい玄米は初めて」

そう思ったのをよく覚えています。今でこそ炊き方などの工夫である程度柔らかく美味しく炊けるとはいえ6年前初めて出会ったとき炊飯器で炊いたのを覚えています。

浸水をしっかりして玄米モードで炊いただけの玄米。こんなに柔らかく香りもよく、甘みもしっかりとある、素直にうまいなぁと声に出ました。

その後いろいろ玄米は食べていますが、なかなか成澤さんほどの味わいの玄米に出会えることはありません。

なぜ、そんなに美味しいのか?

理由は3つあると思います。

まずは耕起。耕すことです。その耕し方が特徴的でふつうは四角い田んぼならば四角く耕すのが一般的かと思います。しかし、成澤さんの耕し方はふつうではありません。

トラクターを四角い田んぼに縦横無尽に走らせます。その際ほとんど前を見ていません、なぜならば、トラクターでけん引しているロータリの水平具合に一番気を使っています。

ロータリの傾き具合で、今土の中がどのような状態になっているのかを想像しているのです。その耕起の具合によって田植えした後の苗の根の張り具合が大きく変わり、その土の状態が稲の生育に大きく影響を及ぼします。

無農薬無化学肥料で育成するためにはこの土の状態を耕起で最適化してあげる技術これが一つ目の成澤さんのすごさだと僕は思います。

第2に苗床の作り方にあると思います。

詳しくは聞きそびれてしまったのですが、とにかく苗床の根の張り方が尋常ではないのです。通常の農家さんの苗床は両手でしっかりと持たないとちぎれてしまうことがよくあります。しかし、成澤さんの苗床は端っこを片手で持ってもちぎれません。なぜならば、苗床の時点での根の張り方の強さがとても強いのです。

稲も作物、土に根を張って土壌のミネラル、水分を吸って大きくなっていきます。その根を深く張ることができれば土壌の栄養分をより多く吸収することができ多少の風や水害などに負けないくらい強い稲になります。

だからこその耕起に対するこだわりと苗の根の強さがこの味わいと甘みと優しさとエネルギーを生み出しているのだと感じることができます。

稲のことを「お稲様」と呼び、「お稲様が生活を支えてくださっているから」と心を砕く成澤さんの愛情に裏打ちされた観察とひたすら手作業を積み重ねる日々の積み重ねとそれを口にしてくれる方々への想いがこんなに素晴らしく美味しいお米を作り出してくれているのです。そんな素晴らしいお米を使わせていただいていることに心から感謝いたします。