続!!大人気になるほどの米粉パン開発秘話


米粉パン開発秘話の続きです

一念発起し

米粉パンを作るにしても

当時は米粉の情報や知識に関しても

あまり世に情報が出ていないなか

何冊かの本やインターネットで調べて

いろいろな情報を探しまくりました

しかし、どれも自分では美味しいとは思いませんでした。

そしてパンと同時にパンケーキもやりたいと考えていたので

パンケーキの美味しいお店についても知らべていました

ある日今は業態が変わってしまいましたが

REVIVE KITCHEN

というお店で食べたグルテンフリーのパンケーキに

非常に感銘を受けました。

当時のグルテンフリーのパンケーキの中では一番おいしかったと思います

わざと覚えてもらえるように何回も日参して

シェフと仲良くなりレシピ(ざっくりで正確には教えてくれなかったけど笑)

などいろいろ教えていただきました

(素敵な女子ばかり集まる表参道のど真ん中で暑苦しい男が一人でパンケーキ食べてたら日参しなくても覚えられていたはず…)

そのパンケーキも米粉パンと同時に試作を何度も繰り返していました

これがパンケーキもなかなかうまくいかず苦労するわけです。

しかしある日このパンケーキのレシピを

米粉パンに展開できるんじゃないか?

と思いつくわけです

米粉、豆乳、タピオカ粉、有機砂糖、塩、イースト、油

材料はシンプルでこれだけです

しかし試作してみるもの

思うような仕上がりにはなりません

ここからが長い旅のはじまりでした

まずどこに改善点があるのかがわからない

これが一番の苦悩でした

今でこそ米粉の種類や製粉方法、粒子の細かさによって

使用の仕方に向き不向きがあることがわかりますが

当時はそんな知識も持ち合わせていませんでした

米粉がよくないのか?

米粉が多いのか少ないのか?

水分が豆乳なのが良くないのか?

水分が多いのか少ないのか?

タピオカ粉の量は多いのか少ないのか?

油の種類は何が良いのか?

これも多いのか少ないのか?

イーストの量は?

もうすべてがわからない状態

真っ暗な闇の中を手探りで歩くような感覚でした

一日に何回も試作して食べてみる

軽量から焼き上がり、冷まして食べるまで

大体2時間半

それだけの時間をかけて作っても

食べたら失敗

これをもう何度繰り返したかわかりません

米粉定量に対して水分量を変えた3パターンを作り

水分定量に対して米粉量を変えた3パターンを作り

タピオカ粉、油それぞれに同じことを試しました

それだけでもざっと数えて12パターン

この中でイメージに近いレシピで微調整するも

今度発酵時間の違いによる検証

季節が違っても同じ状態で焼き続けるために

発酵温度、豆乳の温度もコントロールして

撹拌する時間、発酵にかける時間なども

また検証です

当時は焼いたパンを食べることがつらかった

うまくできていないのをわかっていながら

どう変化したかを味を見る

これではだめだと心が折れそうになる

また、その米粉パンを廃棄せざるを得ない悔しさ

何度も何度もそれの繰り返しで

米粉パン本当に嫌いになりそうでした

 

そんな開発の苦労があり一応お客様にお出しできるかな?

というレベルまでいたりました

(恐らく3カ月はかかりました)

まだ自分の中では納得はし切れていませんでした

しかし、そのパンの作り方もスタッフにもできるように

していたある日スタッフの焼いたパンが

イメージに非常に近い状態に仕上がっていました

それが何が要因だったのか今ではすっかり忘れてしまいましたが…

(それ重要ですよね汗)

でもなぜかそれ以降はとてもよい状態で焼き続けることが

できています。

(たまに失敗しますが…)

当時はなかなか美味しい米粉パンがなかったので

この米粉パンの評判が影響力のある方々の目に留まり

当時は全国から当店の米粉パンを視察しに来ていただけました。

 

その後も微調整を続けながら今のクオリティには満足しています。

今は世に美味しい米粉パンがたくさん出回るようになりました。

当時に比べ米粉の質が格段に上がっています。

使用方法による米の種類の違い、製粉方法の違い、粒度の違いを知って使い分ける方々がたくさんいらっしゃいます。

その道の方々による努力と研鑽がいまの米粉の認知の向上に大きく貢献されていらっしゃいます

ノイローゼになりそうなくらいに悩みぬいて

作り続けることができた

その根底にある想いは

小麦アレルギーの人たちが本当に心から美味しいと思って

食べられる米粉パンを作りそんな人たちの笑顔を見たかったから

なのかもしれません

「こんなに美味しい米粉パン食べたことない!!」

この一言がいままでの苦労を吹き飛ばしてくれます

誰かの笑顔のためにあきらめないで結果が出るまでやり続けることの大切さ

米粉パンが教えてくれたことなのかもしれません